名言紹介の第37回目は昭和期に活躍した作家:山本周五郎の言葉です。
「世の中には苦しいことや悲しいこと、辛いこと汚(けが)らわしいことがたくさんある。あなたも生きていれば、どうしてもそういうことを経験しなければならない。そういうとき絶望したり、やけになったりしてはおしまいです。人間にもそれぞれ弱点がある。醜(みにく)い、いやらしい面が誰にだってあるものです。苦しみや悲しみや、醜さやいやらしいことを経験し、そういうものに鍛えられて、はじめて人間はおとなになってゆくんです。わかりますか?もういちど云(い)いますが、世の中には美しいことばかりは決してないものです。どうかそれを忘れないでください。」
周五郎は幼少期から、大規模な自然災害にたびたび見舞われ親族を多数失うなど、数多くの苦難を経験しました。
上記言葉はそのような経験を乗り越えた周五郎らしい、非常に懐が深い名言だなあと感じます。
(文責:弁護士 澤村康治)