澤村こうじ法律事務所

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コラム2023年0323

名言紹介(24)「西郷隆盛」

 名言紹介の第24回目は幕末薩摩藩の倒幕派リーダーで明治維新三傑の1人:西郷隆盛の言葉です。
「雪に耐えて梅花(ばいか)麗(うるわ)し」

 意訳すると「厳しい雪の寒さを乗り越えてこそ梅の花は美しく咲き誇るのだ」といった所でしょうか。

 物心ついてから死ぬまでずっと、自分の思いどおりの人生を送り続けることができる人間はなかなかいないでしょうね。
 多くの人間は厳しい現実の壁にぶつかって、大きな挫折や苦難を何度も経験すると思いますが、大切なことはそこから何とか立ち上がって、また一歩ずつでも前進していくことだと思います。
 目の前の大きな壁を正面から登ることはどうしても難しそうだと判断したときには、穴を掘ってくぐってみようか?とか、横に歩いて通れそうな隙間がないか探してみようか?とか、もう少し登りやすそうな小さめの壁にまず登ってみようか?とか、自分なりに知恵を絞ったり工夫したりして努力を続けていく過程で人間的に大きく成長していくと思いますし(この人間的な成長のことを、憲法学では「人格的自律」とか「自己実現」とか「人格の形成及び発展」などと言ったりします。因みに、ロールプレイングゲームでは「レベルが上がる」と言いますね笑)、実はこの過程からこそ本当の人生が始まるようにも思います。
 そのような試行錯誤を繰り返しているうちにふと気が付くと、かつて自分の目の前に立ちはだかってとても大きく感じた壁が、いつの間にかはるか足元に見えて驚いた・・・などという経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
 これが西郷が言うところの「雪に耐えた麗しき梅花」ではないかなあと、私は理解しています。

(文責:弁護士 澤村康治)
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